DQRプロデューサー 二木氏SPECIAL INTERVIEW

人気対戦デジタルカードゲーム「ドラゴンクエストライバルズ」の No.1プレイヤーを決める公式大会として2018年から始まった『勇者杯』。人気コンテンツを生み出した本作のプロデューサーでもある二木達博さんをお招きし、大会決勝進出プレイヤーだけが着用することを許されるユニフォームデザインを担当したJUNRedデザイナー:小菅     がドラゴンクエストライバルズにまつわる様々な話を聞いた。

 

 

Q「どういった経緯でドラゴンクエストライバルズが生み出されたのか」

二木氏:
ドラゴンクエストライバルズ(以下DQライバルズ)は、ドラゴンクエストのキャラクターやモンスターのカードを使って遊ぶデジタルカードゲームになります。そもそもカードゲームというジャンル自体、私が小学生の頃ブームになりまして、それ以降ずっとカードゲームというのは少年時代に必ず通ってくる様な遊びになっていったところもありました。私と同世代やもっと若い世代に向けてドラゴンクエストに触れてもらえるゲームジャンルとして、デジタルカードゲームというものがフィットすると感じています。ドラゴンクエストでRPGというジャンルにメインで触れているユーザーよりも、もう少し若く新しい人たちに向けてドラゴンクエストを届けるという視点で、デジタルカードゲームというジャンルに挑戦してみようと思い立ったのがきっかけですね。

小菅:
昔からファミコンをやっていた世代も楽しめるし、今の若い世代で昔のドラゴンクエストを知らない世代もデジタルカードゲームとして楽しめるという事なんですね。

二木氏:
そうです。ドラゴンクエストは今年32周年と歴史もあり全部のタイトルを遊んでいらっしゃる方もそこまで多いとも限らないですし、私自身の年齢より長いシリーズでもありますので、同世代だとリアルタイムで遊んできたタイトルも少ないと思います。DQライバルズではドラゴンクエストの様々なキャラクターが登場する点も魅力なので、そこをきっかけに今まで遊んでいなかった他のタイトルにも触れる良い機会になればと思っています。

 

Q「勇者杯が生み出されたきっかけ」

小菅:
DQライバルズというアプリが開発され、そこから勇者杯というイベントに派生していると思いますが、このイベントが生み出されたタイミングや、なぜこの様なイベントを開催しようと思ったのかきっかけを教えてください。

二木氏:
もともと、ゲームジャンル自体が対戦という要素が強いものですから、最終的にはどちらが強いのかを決める必要があるのかなと思い、勇者杯の企画構想段階から全国大会の様なスタイルで開催しようという考えはありまして、それがようやく2018年春の大会として実現し進めてきたというところですね。
そこで大会を重ねるごとに強い人が現れると、その人たちの考えたデッキとか戦略みたいなものが他のプレイヤー達にも伝わって、新しいゲームの中での遊びに繋がっていきますのでそういった形で強いプレイヤー達にフォーカスする戦いの場を“勇者杯”としてなるべく早い段階から実現したいという思いは強かったです。

小菅:
アプリ内だけでトップに立っているより、実力をface to faceの大会で試したいというプレイヤーも多くて、そういった大会に参加した事で更に大きな盛り上がりになるというイメージでしょうか?

二木氏:
アプリ内のランクマッチで1位を目指すのって大前提として相当時間をかけて根気よく頑張らないといけないと思うんですが、そういうやりこみの世界も必要だと思う一方で、一発勝負の大会というのは、自分の決めた練習量で大会に挑み、そこで自分の実力を試すという、練習方法も含めた知略と戦いのセンスを競う世界だと思っていて、それにはまたランクマッチとは、違う強さを持った人達が出てくる面白さもありますし、そちらの方がより広い人達が参加できる戦いの場になると思っています。

小菅:
その場で相手の顔が見えてプレイするのと、見えない状態でプレイするのは緊張感も全く違うと思いますし、私も前回直接会場に行かせて頂きましたが戦っている時の真剣な表情や緊張感が伝わり思わず見入ってしまいました!

二木氏:
見ている側も、プレイヤーの苦悩する表情が見えるとまた違った面白さが増えて良いですよね(笑)
勇者杯は今回で4回目で、昨年夏のイベント時だけオンライン予選を開催しました。当然オンラインですから広く全国各地大勢のファンに参加いただけたのですが、逆にこう、顔が見えないところでの実力対決の様子というものがあって楽しみ方は違うなぁと感じまして、やっぱり表情があってプレイヤーがこう、真剣に悩みながらプレーしている様子というのが見えている事自体もエンターテイメントとして成立しているところがあると思っていますので、そこも含めてなるべくプレイヤーさんの顔にフォーカスしたカメラアングルを意識して表情の変化などもファンに見ていただける様な演出は心がけています。

 

Q「思い出深い、大変だったエピソード」

二木氏:
これは二つあります。
一つは、当時PC版ゲームをYahoo!ゲームでローンチしたご縁でYahoo!様と一緒に取り組んだ、第一回大会で私たちにとっても初めてとなる大会です。はじめてのことが多い中で大勢の関係者とディスカッションを重ねながら作り上げなければならないという事でハードでした。例えば、一位になる事で何を目指してもらうのか、現在ですと伝説のカードを錬金してもらうなど報酬を設定していますが当時はそれらもゼロベースですし、一番最初の作り出しの部分が皆んな苦労して手探り状態でそれがすごく大変だった記憶がありますね。

二つ目は、昨年の秋大会二次予選の時に起こったトラブルです。具体的には当日会場の電波状態が悪くアクセスしづらい状況になってしまいまして、参加いただいたプレイヤーの皆さんに大変なご迷惑をお掛けしてしまった点です。この点をしっかり反省し検証を重ねた上で同じようなトラブルにならない施策を講じて前回の冬大会を迎えましたが特に大きな問題も無く進行することが出来て良かったなと思っています。

小菅:
大会も色々と改善しながら継続するにつれて規模も大きくなっていますが、今後に向けてどんなイメージをお持ちですか?

二木氏:
勇者杯の決勝もこれで4度目になりますが、回を重ねるごとにゲームを観戦するということが凄く面白くなってきたなぁと思っています。先ほども少しお話しましたサイドイベントを充実させてきたというのは、会場に来ていただいた方々にご満足いただく為にどんな事が必要なのだろうと色々考えながら今に至るわけで、昨年秋大会に小菅さん来ていただいた際も会場は凄く盛り上がっていましたよね。
ゲーム自体も色んなカードが増えて盛り上がってきていて、むしろじっくり試合を観戦したいファンも増えているんじゃないかなと感じています。秋大会は私個人も裏でずっと試合画面にくぎ付けでした。本当にすごく試合が楽しくてずっと観ていたいっていう・・・。
“観る”という視点から、今回の二次予選では配信画面の中に解説サービスを組み込みまして、わからないカードや用語が出てきた際には随時解説を入れる様にしました。こういった、“試合を観る”という行為自体をもっともっと拡げていきたいなと思っています。ですので会場に来ていただいている方だけではなくて、配信で観ていただいている方も更に楽しんでいただける形にレベルアップしていきたいですね 。

小菅:
そういえば、会場にお邪魔した時に気付いたのですがスクリーン前に並んでいた観覧客用の椅子から本当に誰も立ち上がりませんでしたね(笑)

二木氏:
(笑)確かに。大勢のファンにご来場いただきましたし、離席しちゃうとすぐ他の方が座ってしまいますからね。だからなかなか席を立てない現象がありました。回を重ねるごとに会場キャパシティを大きくする必要もある半面で、純粋に試合を観たいというニーズが増えているという事ですので会場に行けないという方にも配信を観ればお楽しみいただける土壌をもっと作っていきたいです。

小菅:
全員着席で試合を見る会場なんて、エラく盛り上がりそうでいいかもしれませんね。先ほどはトラブルのお話でしたが、逆にこれは良かったなぁというエピソードはありますか?私はあの会場の雰囲気を肌で感じると、家で生放送で観ているのとは迫力が全然違うなぁと感じられたのが良かったです。スライムまんも美味しかったですし!
あ、会場で支払いするときにゴールド換算で言われるのは一通りドラクエシリーズをプレイしている私にとってはグッときました(笑)

二木氏:
あー、あれはルイーダの酒場のシステムですね。1ゴールド1円で。

小菅:
そうですそうです。引換券もらって、その時はそんなにお腹空いてなかったのでスライムまんだけ食べようと思ってたんですけど、店員さんに「このドライカレーが一番高いのでこれ食べた方が良いっすよ!」って猛烈にオススメされたんです(笑)

二木氏:
(笑)

小菅:
それで私が「いいえ」って言い続けたんですけど、店員さんもずーっとドライカレーを勧めてくるあのやりとり・・・。まさにドラゴンクエストの世界そのものでしたね。「はい」って言わないと終わらないあの感じ(笑)

二木氏:
次回もまた凄いラインナップが控えてますので楽しみにしていてくださいね。

小菅:
期待してます! 今回の勇者杯会場は秋葉原なんですか?

二木氏:
そうです。前回と同じ会場になります。

小菅:
て、ことは今回も帰りにドラクエローソンですね(笑)

二木氏:
ですね(笑)

 

Q「今回JUNRedを選んだきっかけ」

小菅:
前回に続き今回もお取り組みさせていただいた訳ですが、どんなきっかけがあったのか教えていただけますか?

二木氏:
夏の大会まで、決勝に残る8名に着てもらうユニフォームは自分たちでデザインをしていたのですが、より良いデザインにしたいなぁと思うことがありまして、夏の大会が終わった後に、アパレルブランドなどファッションのプロに作ってもらえると良いなあとスタッフと話をしていました。
そこに偶然スタッフの人脈でJUNRedとつながる事が出来まして、お話をうかがってみるとJUNRedさんのブランディングターゲットがDQライバルズのプレイヤー層とマッチしていることがわかったので、その流れで大会ユニフォームをご制作いただくことになりました。秋大会の準備はかなりタイトなスケジュールだったのですが、ユニフォームデザインから背中のエンブレムまで、とてつもないこだわりを発揮していただきまして、いたく感激しました。実際、プレイヤーの皆さんにも大変気に入ってもらったので、次の冬大会でもひきつづきJUNRedさんにユニフォームデザインを依頼させていただきました。


小菅:
ありがとうございます!
会場に来ている若い子を見ているとファッション好きそうな子もいますし、ベーシックを好んでいそうな子も見られましたので、この取組を機会にユーザーの皆さんがJUNRedも好きになってくれるという点と、逆にJUNRedファンがDQライバルズに興味を持ってプレイヤーになっていく様な相乗効果が生まれる事も期待しています。


二木氏:
そこは狙っていきたいですね。
私が、今ライバルズをよく遊んでくれているプレイヤーと同じ20代前半だったころは、今思えば友達と服に関する情報交換が起きるタイミングはあまりなかった気がするんですよ。まあ、一緒に買いに行く様な機会はあったんですけど、なかなか服について語り合うまではいかなかったです。「服が趣味」と言えるくらいじゃないとそういうことって話さないんじゃないのかなと思うんですが、今も同じような人はたくさんいるんじゃないかと思っていて、そういうところに日々遊んでいるゲームから新しいブランドの名前が入ってくるというのは、なかなか面白いことだとおもいますし、過去の自分だったらありがたい事なんじゃないかなとは思いますね(笑)。この勇者杯を通じてJUNRedを知れるっていうのがプレイヤー側にしてみても良い事なんじゃないかなあと。

小菅:
前回大会後、あのユニフォーム格好良かったとか、あのフーディー欲しいといったツイートもあって、私自身もユニフォームの作り手側視点としては前回のユニフォームは良く出来たと感じていました。ただ、普段着として欲しいと思っていただけているのか、自分も大会決勝に残ってあのユニフォームを手に入れたいと思っているのかがわからなかった部分はありますが、今後としてはユニフォームの型になる実際の商品を同時展開してプレイヤーや決勝進出者のファンの方達も手に入れられるといったお取組みが実現できればと思います。

二木氏:
ユニフォーム自体は決勝に残ったプレイヤーのみが着る勲章だと思いますが、それのもとになった服ならばいいですね。DQライバルズでは勇者杯の他にも酒場杯というオフラインのプチ大会的なイベントを全国で定期的に開催しています。そういったリアルで集まるコミュニティも沢山ありますので、普段着というよりはリアルイベントの場に着て行きたいニーズはあるんじゃないかと思いますね。

 

Q「今後JUNRedに期待すること」

二木氏:
JUNRedも運営されているJUNには文化祭もあると聞いたことがあるので、今後はそういったお祭り的なイベントの場にDQライバルズで参加させてもらえたらアピールに繋がるのかなと思いますね。そういったテイストで学生達と一緒に巡回していけたら面白くなりそうですよね。

小菅:
昨年の文化祭でも案の一つとして対戦型ゲームコンテンツの話が持ち上がったんですが、諸事情で実現出来なかったんです。ただ、最近は社内でもゲームコンテンツやe-sportsに対する認知や興味関心も広まってきているのでアパレルの枠を超えて具現化していきたい想いはあります。

 

Q「今後の展望」

二木氏:
まず何よりもDQライバルズを末長く遊んでもらいたいですし、現在も1年近く先のカードの話も始めていたりします。どんどん先の事まで設計していって色々なサプライズを用意していきたいと思います。世の中にはDQライバルズを体験したこと無い方もまだまだいらっしゃると思いますので、そこを広げていく為の様々なアクションを2年目も起こしていきます。

 

Q「DQライバルズファンにひとこと」

二木氏:
DQライバルズをいつも遊んでいただき、ありがとうございます。
勇者杯では昨年秋からJUNRedとの取組みが始まりまして、決勝進出される8名のプレイヤーのユニフォームをデザインしていただいているのですが今回はそれだけではなくユニフォームの元になった洋服もJUNRedで販売するという事なので、そちらも皆さん是非チェックしてくださいね。新しい取組みとして今後も継続していきたいと思いますので大会だけではなく、こういった側面からもDQライバルズを楽しんでいただけたらなと思います。

 

 
インタビューは以上となります。
皆様いかがでしたでしょうか?ドラゴンクエストライバルズの今後の進展が楽しみですね!
少しでも興味を持った方はぜひアプリをダウンロードしてみてください。

     

また、ドラゴンクエストライバルズ公式全国大会「 勇者杯2018冬」については下記URLよりチェック!

http://www.dragonquest.jp/rivals/yusha-hai/2018winter/

 

ドラゴンクエストライバルズ公式全国大会「 勇者杯2018冬」ユニフォームデザインについてはこちらからチェック!

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